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会社設立登記(株式会社)

取り扱い業務(ビジネスのこと)

 事業を始めたいと漠然と考えていても、計画を実行に移せない理由は何でしょうか?
起業するうえでの悩みはいろいろあります。

  • 具体的にどのような順番で手続きを始めたらよいかがわからない。
  • 事業の形態を、個人事業にするべきか、会社組織にするべきか迷っている。
  • 起業するための必要条件が整っているのかどうかが見極められない。

 上記の他にも、業種、営業所在地や資金計画等によっても、起業の悩みは千差万別です。
そんな悩みも含めて、お気軽に神戸六甲わかば司法書士事務所にご相談ください。

お問い合わせ電話番号 :078-855-3088
受付時間:平日9:00~18:00

会社設立までの流れ

 株式会社設立の方法には、募集設立と発起設立とがあります。募集設立とは、公衆から出資を募って会社を設立する方法のことを指します。これに対して発起設立とは、出資者(=発起人)自身が、会社設立の事業執行を行います(そして多くの場合、設立後の会社の取締役となり、経営を行います。)。株式会社という制度の趣旨(所有と経営の分離)からすれば、募集設立の方がその趣旨により合致する方法であると言えます。しかし現実には、所有(=出資者)と経営が分離しきれていない会社が大多数を占めます。そこで、以下では、募集設立についての説明は割愛して、発起設立について説明します。

商号(会社名)

 会社名には、漢字、カタカナ、ローマ字、アラビア数字を使うことができます。「株式会社」を前につけるか、後ろにつけるかは自由に決めることができます。

 会社法が施行されて、商号については要件が緩和されました。すなわち、同一住所に同一商号を登記することはできない(商業登記法第27条)という制限があるくらいです。従って、登記手続きのことだけに関して言えば、同一住所でない限り、同一町内であっても同一商号を登記することはできます。

 しかし、商号を選ぶ際には、他の会社と誤認されるような商号はやはり避けるべきです。会社法第8条1項も、「何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。」と定めています。また、不正競争防止法により、類似商号の使用が、差止めや損害賠償請求の対象となることがあります。

事業の目的

事業目的を定める意義

 会社を設立するためには、会社の目的を決める必要があります。これは、定款に記載し、登記簿謄本にも表示されることになります。

 なぜ会社の目的を決める必要があるのでしょうか。それは、会社が、自然人と異なり、目的の範囲内でのみ権利能力を認められているからです。すなわち、会社と取引関係に入る人は、会社登記記録を見れば、その取引が安全に成立するか否かを判断することができます。

融資上の制約

 日本政策金融公庫は、金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業などを事業目的とする会社には融資できません。従って、日本政策金融公庫からの融資を計画している場合には、事業目的決定の際に注意が必要です。

許認可申請の制約

 許認可を申請するためには、一定の目的を設定している必要があります。 予定している許認可の要件を確認するよう注意してください。

  • 建築工事業
  • 一般及び特定労働者派遣
  • 介護保険法に基づく居宅サービス事業

本店所在地

 会社の設立のためには、会社の本店所在地を決める必要があります。本店所在地によって、定款の認証を受けられる公証役場、会社設立登記申請を行う法務局が決まります。

 通常、定款には、本店所在地として、最小行政区画までを定めます。たとえば、「神戸市中央区○○町○丁目○番○号」に本店を置く場合には、定款には単に「当会社は、神戸市に本店を置く。」とだけ定めます。具体的な所在場所を定めるのは、発起人の過半数の決定によります(会社成立後は、業務執行決定機関により変更します。)。

発行可能株式総数

 会社の設立にあたり、「発行可能株式総数」を決める必要があります。

 増資する必要が生じた場合に、定款変更をせずに発行できる株式の上限を画しておくための定めです。

 公開会社(会社法上は、譲渡制限のついてない株式を一部でも発行していれば、「公開会社」と言います。)においては、発行可能株式総数の範囲内であれば、取締役会のみの判断によって、株式募集事項を決定することができるため、柔軟に会社の資金需要に対応することができます。

 これに対して、非公開会社においては、それほど大きな意味のある定めではありません。

1株あたりの払込金額

 会社の設立にあたり、1株あたりの払込金額を決める必要があります。

 設立時の払込総額を、設立時発行株式数で割った額のことです。1万円から5万円くらいの範囲になるようにするのが通常です。

 額面株式があった時代には、1株の額面額を5万円以上と定めなければなりませんでしたが、現在では、設立時に1株当たりいくら払い込むかということに、積極的な意味があるわけではありません。

資本金の額

資本金額の意味

 会社を設立するためには、資本金の額を決める必要があります。

 資本金額とは、会社の会計上の基準となる数値です。会社に留保された資産の価額のことではありませんから、登記された資本金額の大小によって、会社資産の大小を知ることはできません。もっとも、資本金額は出資された金額を基に決められ、さらに配当可能額を計算するための基準となる数値でもあるので、資本金額が大きいということは「会社に対して大きな金額又は財産が出資された形跡があり、会社の財産流出に対する高いハードルが設けられている」ということを示していると言うことができるでしょう。

資本金額を定める基準

 では、何を基準として、資本金額を定めればよいでしょうか?その基準は、以下の5点です。

A. 運転資金について  商売を始めて最初の売上金の入金があるまでに、通常、商品の仕入代金・家賃の支払い・備品の購入・広告宣伝費・人件費の支払いなど様々な支払いが先行します。そこで、売上金の入金があるまでに事業に必要な経費等を資本金で賄う必要があります。業種にもよりますが3ヶ月から6ヶ月分くらいの運転資金を用意しておくとよいでしょう。起業前に資金計画を立て、売上入金が入るまでに必要な資金を計算し、資金が不足しないよう適正な資本金の額を算定しましょう。
B. 見た目の信用度について  最低資本金制度がなくなったために、資本金1円の会社を設立することも可能です。しかし、登記記録に「資本金 金1円」と記載されている会社と取引する相手方の受ける印象はどうでしょうか?決して良い印象は受けないはずです。よって、資本金の金額は、ある程度が大きい方が、見た目の信用度は高まると言えるでしょう。
C. 資金調達の条件について  金融機関からの融資を受けたいと考えた場合、起業時に受けることができる融資の多くに、自己資金の要件がつけられています。
 例えば、日本政策金融公庫の新創業融資制度では、自己資金の2倍までの金額しか申し込むことができません。つまり、起業時に200万円の融資が必要な場合は、少なくとも自己資金として資本金が100万円なくてはなりません。
D. 許認可の取得条件について  許認可を取得する必要がある事業の中には、資本金の最低額が定まっている事業があります。例えば、建設業(一般)許可は、自己資金500万円以上が条件となっています。その他、人材派遣業や運送業等の許可についても、一定以上の資本金額が必要となります。
E. 税金について

消費税:

 資本金の額が1,000万円未満であれば、会社設立時から通常2期目までは、消費税の課税対象業者とはなりません。
 消費税には免税点が設けられており、その課税期間に係る基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の場合には、その課税期間の納税義務が免除されます(注1、2)。
 新たに事業を始めた場合には、その時点では基準期間の売上げはないため、原則として、免税事業者になります。
 ただし、基準期間のない法人のうち、その事業年度開始の日の資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上である法人については、免税事業者にはならない旨の特例が設けられています。

法人住民税:

 法人住民税の均等割りは、資本金が1,000万円を超えると納税負担が大きくなります。
 法人住民税の均等割りとは、会社の利益にかかわりなく収めなければならない最低限の法人住民税(市町村税、都道府県税)のことです。会社の資本金、従業員数に応じて税額が決まっています。
 例えば、資本金額1,000万円、従業員数50人の会社であれば、法人住民税の均等割りは、最低額の7万円(市町村税5万円、都道府県税2万円)です。これに対し、資本金額1,001万円、従業員数50人の会社であれば、法人住民税の均等割りは18万円(市町村税13万円、都道府県税5万円)となります。

発起人

 出資者は、発起設立の場合には、発起人と呼ばれます。発起人は、会社設立後、会社の株主になります。

 発起人は、設立準備段階から深く会社にかかわることになります。ですから、通常は、見ず知らずの人を発起人として迎え入れることはなく、信頼できる人を発起人とします。発起人は、会社設立後、株主になりますが、必ずしも役員になる必要はありません。ですから、出資だけして、設立後の会社経営には関わりたくないという人でも、発起人になることができます。

機関設計と役員

 会社を設立するにあたり、機関設計を行う必要があります。

 株式会社の機関は、株主総会、取締役、代表取締役、取締役会、監査役、監査役会、会計監査役、会計参与等に分かれており、それぞれ、法や定款に定める意思決定や業務執行等の権限を持っています。これらの機関は、必須機関である株主総会と(代表)取締役を除けば、すべてを設置する必要はありません。ただし、機関の組み合わせには、一定の制限があります。これらの、組み合わせを決めることを、機関設計と言います。

取締役会の設置

 非公開会社(発行する株式の全てに譲渡制限がある会社)の機関設計のポイントは、取締役会を設置するかしないかです。

 取締役会を設置しない場合は、取締役は1名以上であればよく、監査役や会計参与も設置する必要はありません。一方、取締役会を設置した場合は、取締役会を構成する取締役は3名以上必要で、その上、監査役または会計参与を設置しなければなりません。

 取締役会非設置会社においては、代表取締役の選任は自由です。選任しない場合は全取締役が代表取締役となり、いずれかの取締役を代表取締役として選任した場合は、選任された人だけが代表取締役となり、会社を代表し、その他の取締役は、会社を代表できません。

 取締役会設置会社においては、取締役のうちから代表取締役を選任する必要があり、代表取締役のみが会社を代表できます。

 ちなみに、公開会社においては、取締役会と監査役は必ず設置しなければなりません。

取締役会と株主総会の関係

 取締役会の有無により、株主総会と取締役会それぞれの権限の範囲が異なります。

 取締役会非設置会社においては、株主総会が「株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議することができ」(会社法第295条1項)ます。これに対して、取締役会設置会社においては、「株主総会は、この法律(=会社法)に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができ」(会社法第295条2項)ます。すなわち、取締役会を設置していれば、会社の業務執行に関する決定の多くは、取締役会の権限となります。

 また、取締役会には、取締役の職務執行の監督権限及び代表取締役の選任・解任権権があります(会社法第362条2項)。

取締役の任期

 取締役の任期は、原則2年です。しかし、定款でこれより短い任期(例えば、1年)と定めることはできます。非公開会社の場合、定款で定めれば、取締役の任期を最長10年まで伸長することができます(会社法第332条1項、2項)。

 一般的に、取締役の任期を短くすることは、株主(総会)の取締役に対する監視を強めることになります。その逆に、取締役の任期を伸長することは、株主の取締役に対する監視を弱めることになります。

 非公開会社の多くは、所有と経営が一致(株主=取締役)しており、「株主の取締役に対する監視」といっても、あまり意味がありません。その場合には、任期を最長の10年と定めることが許容されます。

事業年度

 決算日(=事業年度の最終日)の決め方に、特にルールがあるわけではありませんが、下記のようなことを考慮して決めることが多いかと思います。

  • 多くの会社に合わせる
    • 日本の会社は3月決算が多いですので、3月にするとか。流通業は2月が多いですし、外資系の会社は12月が多いので、それに合わせるのもひとつの方法です。
  • 多くの会社に合わせない
    • 上記 1. とは逆に、わざと他の会社の決算日とずらした決算日を定める方法もあります。多くの会社の納税申告が重なることによる顧問税理士の負担を軽減するという意味合いです。
  • 最初の事業年度がなるべく長くなるようにする
    • 初年度をなるべく長くするために、設立日から1年後を決算日とする方法です。最初の納税時期を、その分先延ばしにすることができます。

定款作成と認証

定款作成

 定款とは、会社の憲法というべきもので、会社の基本的ルールを記載した文書です。定款の内容は、法律に反しない限りは自由に決めることができますが、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)、記載しなくてもよいが、記載しないとその内容の法的効力が生じない事項(相対的記載事項)、定款に記載することが法的効力発生の要件ではない事項(任意的記載事項)の3つがあります。

 絶対的記載事項は以下の5つです。

  • 目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
  • 発起人の氏名又は名称及び住所

 相対的記載事項のうち、代表的なものを以下に挙げます。

  • 変態設立事項の定め(現物出資など)
  • 株式譲渡制限の定め
  • 種類株式の発行
  • 株主総会、取締役会及び監査役会召集通知期間短縮の定め
  • 取締役及び監査役の任期伸長の定め

 任意的記載事項としては、たとえば以下のような事項があります。

  • 株主名簿の基準日の定め
  • 定時株主総会の召集時期の定め
  • 事業年度の定め
  • 公告方法の定め
定款の認証

 株式会社の原始定款(=設立時作成定款)は、公証人による認証を受けなければなりません(会社法第30条1項)。

出資の履行

 発起人代表の銀行預金口座に、発起人が出資金を払込みます。
設立時代表取締役が、この預金通帳の写しを合綴する形式で、出資の履行が完了したことを証明する文書(=払込証明書)を作成します。

登記申請

会社は、登記申請することによって成立します。
登記申請前までは、「設立中の会社」と言います。「設立中の会社」の段階では、まだ法人格はありませんが、その法的性質については、議論のあるところです。

会社成立後の手続き

 会社の設立登記を申請したからといって、会社設立時の事務手続きの全てが終わったわけではありません。以下に、会社成立後に必要となる手続きの概略を述べます。

 会社の設立後には、税務署や都道府県、市区町村などに各種の届出を提出することが必要です。大きく分けて下記の4つの届出が必要となります。

1.税務署に対する各種届出

 税務署に提出すべき書類には以下のようなものがあります。

 それぞれの書類には提出の期限が定められているものもあるので早めに提出しましょう。
書類は本店所在地を管轄する税務署に届出をしましょう。

 また提出する時は、各種申請書の原本と、それぞれのコピーを一緒に持って行く必要があります。1部は税務署提出用で、コピーの方は受付印を押して貰い持って帰るものになります。受付印を押して貰った書類は税務対策上とても大切なものなので、しっかりと保管しておきましょう。また、これらの届出は郵送でも行うことができます。郵送の場合は、封筒の中に、原本とコピーと切手を貼った返信用封筒を同封するようにしましょう。

1-A 法人設立届出書  法人設立届出書を提出しましょう。
1-B 青色申告の承認申請書  青色申告の承認申請書を提出しましょう。
 会社の法人税の申告方法には、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告は白色申告と比べて記帳を複式簿記で行うなどの手間がかかりますが、決算の赤字を7年間繰り越すことができたり、法人税額の控除を受けられたりなど、大きな税金上のメリットがあります。
 そして、青色申告申請書は、設立した会社が青色申告で法人税を納めるために必要なものです。そして、青色申告申請書は、会社を設立してから3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日までに提出しなければいけません。
1-C 給与支払事務所等の開設届出書  個人事業主の場合、売上から経費を差し引いた残りは自動的に個人の所得としてみなされます。しかし、株式会社の場合は、代表取締役や取締役などの役員や、その他従業員の給与も会社の費用(損金)として扱います。これは、税金対策の上でも大きなメリットとなります。
1-D 源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書  源泉徴収を毎月納めるのは大変なものです。そこで、給与を支払う従業員が10名未満の小さな会社は、源泉徴収の納付を、7月10日までと、1月20日までの年2回にまとめてできるという特例が設けられています。そしてこの特例を適用するためには、この源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書を提出する必要があります。創業後の負担を大きく軽減することができます。
1-E 棚卸資産の評価方法の届出書(任意)  棚卸とは、お店の在庫商品や材料を一つ一つ個数を数えて、その合計の金額を出すことです。棚卸は決算書に反映されるため、税務上、欠かすことができない作業です。そして、棚卸資産の評価方法には、先入先出法や後入先出法など全部で9種類あります。あなたの会社にとってどれが良いかは、良い顧問税理士を雇って相談するのが一番良いでしょう。
 また、棚卸資産の評価方法の届出書は、最初の確定申告の提出期限までに提出する必要があります。それまでに提出しなければ、自動的に「最終仕入原価法」という評価方法を取らなければいけなくなってしまいます。決算直前になって急いで税理士を探しても、その時点では効果的な手を打つためには手遅れになったりしてしまいますので気をつけましょう。
1-F 減価償却資産の償却方法の届出書(任意)  会社が事業を行う上で必要なパソコンやコピー機、自動車などは購入してから時間が経つにしたがってどんどん価値が減って行きます。これを「減価」といいます。そして、会社は、その減価を経費として扱うことができます。
 そして、減価の計算方法は、主に定額法や定率法の2つがあります。会社でよく買う物品と照らし合わせて、どの計算方法が最も節税になるかを税理士と相談して決めましょう。また、この届出書を提出しなければ、自動的に定率法を適用しなければいけなくなります。逆に言うと、定率法を選択する場合は提出の必要はありません。
2.都道府県や市町村に対する開業の届出(法人設立届出)

 株式会社を設立したら、国税以外にも地方税を支払うことになります。そして地方税は、都道府県や市町村に納めるため、それぞれに事業開始の届出(法人設立届出)が必要となります。

 書類の形式は都道府県や市町村によって異なるため、法人設立届出書を都道府県事務所と、市区町村の役所へ行って取得しましょう。定款のコピーと登記事項証明書は、必ず添付しなければなりません。

 提出先は各都道府県の税事務所の「法人事業税課(住民税課)」と、市町村役場の法人住民税課の両方です。

3.労働基準監督署とハローワークに対する労働保険の加入手続きの届出

 会社設立時に一人でも従業員を雇う場合、従業員が入社した日の翌日から10日以内に労働保険への加入手続きが必要となります。

 労働保険には、A)労災保険 と B)雇用保険の2種類があります。前者は労働基準監督署に、後者はハローワークに提出をします。

◎労働基準監督署に提出する書類

 労働基準監督署には次の書類の提出が必要です。

  • 労働保険 保険関係成立届:
    保険関係が成立した日から10日以内。
  • 労働保険 概算保険料申告書:
    保険関係が成立した日から500日以内

 ※この他にも、雇用する社員数が10名を超えた時は、就業規則届が必要となります。

◎ハローワーク(公共職業安定書)に提出する書類

 ハローワークには次の書類の提出が必要です。

  • 雇用保険 適用事業所設置届:
    設置の日から10日以内。労働保険 保険関係成立届と労働保険概算保険料申告書、登記事項証明書、事業所の賃貸借契約書、法人設立届、事業所宛に配達された郵便物(事業所が稼働していることを証明するため)などの添付書類が必要です。
  • 雇用保険 被保険者資格取得届:
    資格取得の事実があった日の翌月10日まで。労働者名簿などの雇用したことを証明する書類の添付が必要です。

 手続きが完了すると、従業員の被保険者証と適用事業所台帳が発行されます。
 書類の様式や記入例は下記リンクで確認することができます。

4.年金事務所で社会保険加入の手続きをしよう

 社会保険の加入手続きは、年金事務所で行います。社会保険には、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の3つがあります。個人事業主の時は、従業員の社会保険料を負担する義務はありませんが、株式会社では、半分を会社負担としなければいけません。つまり、従業員を雇った時には、給料に加えて、これらの社会保険料の総額が一人の人件費となります。

 設立した会社で、社会保険加入の手続きをするためには、下記の3つの書類を提出する必要があります。会社を設立した日から5日以内に提出しましょう。

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
  • 健康保険被扶養者(異動)届