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何者?:サービサーとは

投稿日:2016年04月20日【 債務整理(借金問題) | 金銭トラブル

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「サービサー servicer 」という会社(又は業種)を現すカタカナ言葉を聞いたことのある人は多いかも知れません。しかし、サービサーが何をする会社なのかを知っている人は、それ程多くはないでしょう。そこで、今回は、サービサーについて整理してみました。

 

 

1. サービサーとは

(1)サービサー制度創設の趣旨

サービサーとは、不良債権を金融機関等(金融機関の他にリース会社やクレジット会社等)から買い取ったり、金融機関等からの委託を受けたりして、債権回収・管理を専門として行う法務大臣の許可を受けた民間の株式会社のことを指します。

 

もともと債権回収業務は弁護士に専属(弁護士法第3条等)し、弁護士以外の者がこれを行うことは出来ませんでした。しかし、1990年代のバブル経済崩壊後、金融機関等の不良債権処理が停滞したことから、1998年、不良債権処理の分野に民間会社の参入を認める制度創設を内容とする「債権管理回収業に関する特別措置法」(以下、「債権回収業法」という。)が成立しました(1999年施行)。債権回収業法は、債権回収・管理に関する弁護士法の特例ということになります。

 

2016年4月現在、全国でサービサーは86社存在します。一時期は100社を超えていたことを考えると、バブル時代の不良債権の処理が終了し、サービサーの仕事が減ったということなのかも知れません。

 

 

(2)規制と監督

債権回収という言葉に、あまり良いイメージを持たない人も多いはずです。それは、かつて暴力団等が無茶な債権の取り立てをして社会問題化したことを、多くの人が記憶しているためです。

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そこで、債権回収業法は、サービサーに対する、規制や監督についての規定を中心として構成されています。

 

まず、株式会社が債権管理回収業を営むためには、法務大臣の許可を受けなければなりません(債権回収業法3条)。許可の要件として、一定の資本金額(5億円以上)、役員や人的構成(暴力団関係者を排除していることや、常務取締役として必ず弁護士を入れなければならないこと等)が満たされていなければなりません(債権回収業法第5条等)。

 

また、業務遂行の適正が図られるように、威迫的取立てが禁止されていたり、法定利率超過約定の債権について引き直し計算が強制されたりといったきまりがある(債権回収業法第17条、第18条等)のはもちろんのこと、法務大臣や警察庁長官による立ち入り検査等を受けることもあります(債権回収業法第22条)。

 

これらは民間会社に対する規制・監督としては比較的厳しいものです。よって、今日、サービサーが行う債権回収業務について、かつて暴力団が行っていた債権回収のイメージを重ねるのは不当であると言えるでしょう。

 

 

(3)サービサーに関わる場面は?

一般の人が普通に生活している限り、サービサーに関わることはほとんどありません。とは言え、誰にとってもサービサーに関わる可能性は身近に溢れています。

 

例えば、住宅ローンを滞納してしまったという状況を考えてみましょう。債権者である銀行や保証会社は、担保権を実行する等して、先ずは出来る限り債権の回収を試みるでしょう。しかし、全額回収する見込みが無くなってしまった場合(債権の引き当てとする債務者の財産がなくなってしまった場合等)には、当該残債権は「紙切れ」と化してしまいます。

 

このような債権を買い取って、自ら回収することを仕事にしているのがサービサーです。もちろん、サービサーは、金融機関等から「紙切れ」を買うのですから、額面通りの価額ではなく、特別割引価額で仕入れます。例えば、住宅ローンの残債が額面上は1000万円だったとしても、サービサーの仕入額はひょっとすると10~50万円くらいかも知れません。

 

サービサーに債権を売った金融機関等にとっては、不良債権を損金処理することができる税務上の利点があります。他方、サービサーにとっては、債務者から仕入額を超える回収ができれば、利益が出るという仕組みです。

 

サービサーが取り扱う不良債権(これを「特定金銭債権」と呼びます。)の中には、住宅ローン債権の他にも、クレジットカード、カードローン、リース契約の債権等、身近な債権が広く含まれています(債権回収業法第2条1項)。誰でもサービサーに関わる可能性があると前記したのは、このような理由です。

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2. サービサー制度について思うこと

サービサーの収益の仕組みは、超高利回りの(=投資不適格な)ジャンク債への投資にも似ています。そういった意味では、サービサーの業務に対する、規制や監視は妥当なものと言えます。なぜなら、サービサーの業務は、利益を追求すればするほど、法令違反を起こす誘因が強くなるような仕組みになっているからです。

 

しかし、サービサーに対する規制や監督の体制をつくった一方で、不良化するような債権を作りだす金融機関等の側は、きちんと責任を取るようになったのでしょうか?素人目にも信用力のない人が簡単に大金を借りてしまったり、ろくな本人確認もなしにクレジットカードが作れてしまったりと、金融機関等の無責任ぶりはむしろ悪化したようにすら見えます。

 

ゴミ処理場を監督するのはもちろん大事でしょうが、それよりもゴミを出さない社会を作ることが理想でしょう?

 

 

 

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