携帯電話の名義貸しについて
投稿日:2015年04月17日【 消費者被害 | 金銭トラブル 】
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1. どんな手口か?
以下のような宣伝文句を見たり、聞いたりしたことはありませんか?
- 「携帯電話契約だけで、1台当たり○円の簡単なアルバイト。」(バイト型)
- 「あなたの携帯電話を○円で買い取ります。」(買取型)
- 「携帯電話でお金を貸します。」(貸金型)
これらは、全て不正な目的で行われているものです。決して、これらの宣伝につられてはいけません。
上記のように、宣伝の方法は、アルバイトを勧誘するものであったり、中古携帯電話機の買取りサービスを装ったものであったり(リサイクルショップがやっているような、単なる中古携帯電話機の買取のことではありません。)、携帯電話を担保にお金を貸すというものであったりしますが、これらは全て携帯電話利用契約に関して契約者の「名義貸し」を誘うものです。
不正入手された携帯電話の使い道は、オレオレ詐欺、不正請求詐欺、恐喝、その他の組織的犯罪等、様々です。他人名義の携帯電話を入手するということ自体が既に犯罪行為なのですから、その利用目的もまともであるはずがありません。
2. 何が悪いのか?
利用者が特定できない携帯電話が、犯罪行為に悪用される例が多発したことから、「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」(以下、「携帯電話不正利用防止法」という。)が、携帯電話利用契約時の事業者の本人確認義務や、契約名義の譲渡・譲受け禁止等を定めています。
携帯電話不正利用防止法の違反行為に対しては、罰則も定められています。例えば、名義貸し行為については、名義を譲渡した側に対しても、譲受けた側に対しても、「2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」(同法第20条1項及び2項)と定められています。場合によっては、お小遣い稼ぎのつもりで名義を売った側も、犯罪を行ったことになるのです。
また、単なるアルバイト感覚で、自分で利用料金を支払うつもりもなく、携帯電話会社と契約した者については、詐欺罪(刑法246条)が成立します。引っかかったからと言って、被害者ヅラはできません。
3. 契約上の支払い義務
携帯電話会社との契約をした利用者は、自分で携帯電話を利用するつもりがなくても、携帯電話の利用料金を支払わねばなりません。
また、名義貸し行為を行ってしまった後で、急いで携帯電話の利用契約を解除しようとしても、携帯電話機代金の一括払いを含む高額の支払いをしなければなりません。
4. うまい話か?
携帯電話会社と契約をするだけのアルバイトなり、携帯電話を譲渡するなり、携帯電話を担保としてお金を借りるなりして、得をしたと思ったら大間違いです。そんなことをして手に入れたお金は、自分が犯罪者になること、契約上の高額の支払い義務を負うこと、さらには他の犯罪行為を助長することと引き換えするほどのものなのですか?
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